・2022年 1月13日
・2023年 5月18日
・2023年 3月22日
・2023年 4月10日
・2022年 1月11日
・2023年 3月16日
【1月号掲載(予定)】
・2023年 7月14日

〒430-0929 静岡県浜松市中央区中央2丁目10番1号 TEL:053-454-2101
所得控除
Q1:所得控除のあらましについて教えてください
所得控除のあらまし
所得税法では所得控除の制度を設けています。
これは、所得税額を計算するうえで、社会政策上の要請によるもの、各納税者の個人的事情への考慮や最低生活費を保障するためのものなど、税負担面での調整を行う趣旨から設けられているものです。
それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、各種所得の金額の合計額から各種所得控除の額の合計額を差し引きます。
所得税額は、その残りの金額を基礎として計算されます。
所得控除の種類は次のとおりです。
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除(注)、基礎控除
なお、日本国内に住所などがない、いわゆる非居住者が適用できる所得控除は、雑損控除、寄附金控除、基礎控除の3種類です。
(注) 令和7年12月1日に施行され、令和7年分以降の年分について適用されます。
Q2:寄付金控除について教えてください
寄付金控除の概要
納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。これを寄附金控除といいます。なお、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金及び公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択することができます。
特定寄付金の範囲
特定寄附金とは、次のいずれかに当てはまるものをいいます。
ただし、学校の入学に関してするもの、寄附をした人に特別の利益が及ぶと認められるもの及び政治資金規正法に違反するものなどは、特定寄附金に該当しません。
1.国、地方公共団体に対する寄附金(寄附をした人に特別の利益が及ぶものと認められるものを除きます。)
2.公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして、財務大臣が指定したもの
イ 広く一般に募集されること
ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること
3.公共法人等のうち、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する
ものと認められた次に掲げる特定公益増進法人に対する寄附金で、その法人の主たる目的である業務に関連するもの(上記(1)および(2)に該当するものを除きます。)
イ 独立行政法人
ロ 地方独立行政法人のうち、一定の業務を主たる目的とするもの
ハ 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団、日本赤十字社および福島国際研究教育機構
ニ 公益社団法人および公益財団法人
ホ 私立学校法第3条に規定する学校法人で学校の設置もしくは学校および専修学校もしくは各種学校の設置を主たる目的とするものまたは私立学校法第64条第4項の規定により設立された法人で専修学校もしくは各種学校の設置を主たる目的とするもの
ヘ 社会福祉法人
ト 更生保護法人
4.主務大臣の証明を受けた特定公益信託のうち、その目的が教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢 献その他公益の増進に著しく寄与すると認められる一定の公益信託の信託財産とするために支出した金銭
5.個人が支出した次の団体等に対する政治活動に関する寄附金のうち、一定の要件に該当するもの(寄附をした人に特別の利益がおよぶと認められるものおよび政治資金規正法に違反するものを除きます。)
イ 政党(支部を含みます。)
ロ 政治資金団体
ハ その他の政治団体で一定のもの
ニ 特定の公職の候補者
6.特定非営利活動法人のうち一定の要件を満たすものとして認められたものなど(いわゆる認定NPO法人等)に対
する寄附金で、特定非営利活動に係る事業に関するもの
(注1)「認定NPO法人等」とは、所轄庁の認定を受けた認定NPO法人(特例認定を受けた特例認定NPO法人を含みます。)をいいます。
認定NPO法人等の一覧は、内閣府ホームページ(https://www.npo-homepage.go.jp)をご覧ください。
(注2)認定の有効期間内に支出する寄附金について適用されます。
7.特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額(800万円を限度(令和2年12月31日までは1,000万円)とします。)
寄付金控除の金額
次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額
イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。
寄付金控除を受けるための手続
寄附金控除を受けるためには、寄附金控除に関する事項を記載した確定申告書に次の書類(電磁的記録印刷書面を含みます。)を添付するか、確定申告書を提出する際に提示する必要があります。
(1) 上記特定寄附金の範囲1から4、6及び7に共通で必要な書類
寄附した団体などから交付を受けた寄附金の受領証(領収書)
(注) 令和3年分の確定申告から、ふるさと納税の場合は、「寄附金の受領証」に代えて、国税庁長官が指定した特
定事業者の発行する年間寄附金額が記載された「寄附金控除に関する証明書」を添付することができます。
(2) 上記特定寄附金の範囲に応じて必要な種類
イ 上記特定寄附金の範囲3ロおよびホについては、特定公益増進法人である旨の証明書の写し
ロ 上記特定寄附金の範囲4については、特定公益信託である旨の認定書の写し
ハ 上記特定寄附金の範囲5については、選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金(税額)控除のための書類」
(注) 確定申告書を提出するときまでに、「寄附金(税額)控除のための書類」の交付が間に合わない場合は、その書類に代えて寄附金の受領証の写しを添付して確定申告をし、後日、その書類が交付され次第、速やかに税務署に提出してください。
ニ 上記特定寄附金の範囲7については、1の受領証などの代わりに、以下の書類を添付する必要があります。
(イ) 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書
(ロ) 特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額等の控除の明細書
(ハ) 都道府県知事等が発行した特定新規中小会社に該当するものであること等の一定の事実の確認書
(ニ) 特定新規中小会社が発行した個人投資家が一定の同族株主等に該当しない旨の確認書
(ホ) 特定新規中小会社から交付を受けた株式異動状況明細書
(ヘ) 投資契約書の写し
Q3:2以上の所得者がいる場合の扶養親族等の所属について
扶養控除の所属の変更
2人以上の居住者の扶養親族に該当する者をいずれの居住者の扶養親族とするかは、これらの居住者が提出するその年分の「予定納税額の減額承認申請書」、「確定申告書(期限後申告を含みます。)」、「給与所得者の扶養控除等申告書」、「従たる給与についての扶養控除等申告書」又は「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(以下「申告書等」といいます。)に記載されたところによります。
また、いったんその申告書等により所属が定められた後でも、改めてその所属の異なる記載をした申告書等を提出することによりその所属を更に変更することはできますが、その場合には、扶養親族を増加させようとする者及び減少させようとする者全員がその所属の異なる記載をした申告書等を提出しなければなりません。
なお、この場合の申告書等には、「修正申告書」及び「更正の請求書」は含まれませんので、いずれかの居住者がいったん確定申告書を提出している場合には、扶養親族の所属の変更はできません。
設例1
【問】 夫は長男を扶養親族とする「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し年末調整を行っており、妻は扶養親族の記載をせずに「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し年末調整を行っています。
今年は夫が多額の医療費を支払ったため、夫が長男を扶養親族から除外する「確定申告書」を提出し、妻が長男を扶養親族に含める「確定申告書」を提出したいのですが、このような扶養控除の所属の変更は認められますか。
【答】 扶養親族を増加させようとする者(妻)及び減少させようとする者(夫)全員が、その
所属の変更を記載した「確定申告書」を提出すれば、扶養親族の所属の変更は認められます。
設例2
【問】 夫は長男を扶養親族とする「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し年末調整を行っており、妻は扶養親族の記載をせずに「確定申告書」を提出しました。今年は夫が多額の医療費を支払ったため、夫が長男を扶養親族から除外する「確定申告書」を提出し、妻が長男を扶養親族に含める「更正の請求書」を提出したいのですが、このような扶養控除の所属の変更は認められますか。
【答】 妻がいったん「確定申告書」を提出している場合には、長男について扶養親族の所属の変更は認められません。
いったん誰の扶養親族となるかが定まった場合でも、その後提出する申告書等にこれと異なる記載をすることによってその所属を変更することができますが、扶養親族を増加させようとする妻が提出する「更正の請求書」は、この場合の申告書等には含まれませんので、扶養親族の所属の変更は認められません。(所令219、所基通85-2)